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「地域循環共生圏」の創出に向けて~環境ビジネスへのヒント~(5)

「ライフスタイル」変革を踏まえたビジネスモデル~シェアリングエコノミーとの親和性

環境新聞 令和2年2月26日版

「ライフスタイル」とは、人々の価値観が顕在化した姿である。人々の価値観は大きく変化し"所有から共有"という新たな変革が起こっている。この価値観の変革に一役買っているのがインターネットやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)である。これらを活用した売買や貸し借りを行うシェアリングエコノミーという考え方が浸透しつつある。

 シェアリングエコノミー協会と情報通信総合研究所の調査結果によると、シェアリングエコノミーの市場規模は、2018年度に過去最高の1兆8,874億円を記録し、2030年度には11兆1,275億円にまで成長すると予測され、シェアリングによる「ライフスタイル」の変革が更に加速することが予想される。

 シェアリングエコノミーは、借手・貸手の双方にメリットがある。借手側は新品で購入する価格より安価に借りることができる。また、必要なときに必要な分を借りると、維持費や管理費がかからず、費用を最低限に抑えられる。一方、貸手側は自分にとって利用価値が低い遊休資産を借手側に提供することで、新たな価値を見出し収入源として期待できる。

 近年は「もの」のシェアだけでなく、特技や経験を生かした「スキル」をシェアする「スキルシェア」というシェアリングも浸透している。2018年1月に厚生労働省が策定した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」によると副業・兼業を希望する人々は年々増加傾向である。一方、企業側も働き方の多様化を進めており、副業・兼業を認める企業が増えている。今後、企業側が副業・兼業を希望する人々に応えられる体制を整備すべきである。そのためには、クラウドソーシングなどインターネットを使った外部委託サービスを積極的に活用したい。クラウドソーシングによって汎用性のある仕事から専門性の高い仕事まで幅広く、多くの人々へタイムリーに依頼することができる。これにより企業側は、業務の効率化や負荷を低減させることができる。また、仕事を受託する側にとっても、空いている時間の有効活用やスキルアップ、収入の確保など双方にとって多くのメリットがある。

 今後シェアリングエコノミーが普及する鍵は、利用者が安心して利用できるプラットホームを作れるかである。モノのシェアの場合は故障した場合の対応や、事故や盗難などによる保証体制などを明確にし、利用者が安心して利用できるシステムが必要である。スキルシェアの場合は、本人確認書類の登録や、実績による評価制度の導入、優秀な作業者には個別の認定制度を導入するなどシステムを利用する双方にとって魅力的なシステムが必要である。またシェアリングを効率的に行うためには、PCやスマートフォンなどのデバイスを有効的に活用していきたい。電話やFAX、メールでは、タイムリーな情報共有や正確な情報管理が難しく、ITを活用したシステムやアプリケーションなどを積極的に構築していきたい。

 「ライフスタイル」の変革として、シェアリングエコノミーという考え方が浸透し"所有から共"という新たな価値観を創出している。その規模は年々拡大している。シェアリングの基本は、人と人との繋がりである。今後、利用者が安心して利用できるプラットホームを整備し、人と人が積極的に繋がるシェアリングエコノミーを期待したい。 (横水 元気)

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