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リサイクルビジネスもイノベーションを語ろう(12)

リサイクルビジネスのあるべき姿・・・不確実性に挑むチャレンジ精神

環境新聞 3月29日版

 リサイクルビジネスの現状を現わすキーワードは、「ボーダレス化」である。廃棄物と有価物双方をターゲットに、原料化や燃料化を担う事業者が循環資源を奪い合い、国内外を問わず広域取引が行われている。我が国の社会経済を担うインフラとしての立ち位置は既に確立されており、地域毎に対象品目に応じた先行企業(ファーストフォロワー)が、競争優位性を保ちながら力を蓄えつつある。

 また、将来展望を見据えると、大規模化・低炭素化・グローバル化が進展することは確実と見られる。売上規模が100億円を超える企業数は拡大しており、廃棄物発電・メタン発酵・RPF等燃料化等、低炭素化等を武器にした新たな競争軸も生まれつつある。更に、インフラ輸出の一環としてマーケット拡大に資する海外展開の加速等を受けて、我が国の経済発展に資する成長産業となることへの期待も大きい。今後は、「より強く、より早く、もっと遠くへ」という普通の産業としての競争と淘汰が加速していくことになる。

 ただし、リサイクルビジネスには、原燃料の発生源である国内各地で廃棄物処理を担うミッションに伴う特異性がある。製造業のように拠点を全て海外に移転すれば本来ミッションを果たせず、小売業のようにインターネット経由で世界展開を図ることも現実的ではない。我が国では史上類を見ない少子高齢化に伴う労働力人口の減少が急速に進展しており、人手不足が長期トレンドになることは確実である。労働集約型産業としてのリサイクルビジネスは限界を迎えつつあり、産業としての新たな在り方を模索する必要がある。

 これからのリサイクルビジネスのあるべき姿はどこに見出すべきなのか。そのキーワードこそが、「イノベーション」である。イノベーションは、産業の成熟化に伴う必然であり、業界としての持続的な発展を維持するための必要条件である。当面の具体策としては、IoTやAI等の導入による省人化・無人化を挙げることが挙げられる。

イノベーションの追求には、不確実性に挑むチャレンジ精神が求められる。他社が成功を予見出来ない領域にこそチャンスがあり、発想の転換で新たな商品やサービスを見出すことが王道となる。他産業の事例を見ても、「破壊的テクノロジー」の普及拡大には、むしろ中小零細企業に優位性があり、そのチャンスはリサイクルビジネス全体に拡がっている。

ただし、新たな取り組みが成功する確立は低い。低打率だからこそ、何度でもバッターボックスに入ることが重要であり、「質よりも量」を優先した低リスクでスピード感あるチャレンジが求められる。本質的なイノベーションは、巨大な設備投資だけではなく、試行的な「トライ&エラー」の積み重ねの上に成立し得る。

リサイクルビジネスは、第四次産業革命の波に乗って、動脈産業とも一体化する先進産業への転換を図るべきである。その先にこそ、新たなマーケット創造を通じた成長と進化の道を見出すことが出来る。(この項終わり)

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