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リサイクルビジネスもイノベーションを語ろう(8)

地域貢献のイノベーション・・・新たな地域貢献のアプローチ

環境新聞 10月26日版

リサイクルビジネスは、健全な社会経済発展に不可欠な社会インフラだが、その事業場が迷惑施設のレッテルから逃れることは出来ない。環境・社会面のコンプライアンス徹底は前提条件に過ぎず、車両や廃棄物の集約拠点である以上、近隣住民等への影響は免れ得ないためである。したがって、地域社会に対して積極的な貢献姿勢を示す必要があり、焼却炉があれば温水施設、処分場跡地には公園を整備するなど、多大なコストをかけて利益還元に資する取組も進められている。ただし、その主体は企業体力と大規模施設を有するリサイクラーに限定されており、業界全体のイメージ底上げには、中小事業者を含む業界全体の地域貢献活動拡大が必須となる。

 本稿では、比較的低コストで導入可能なイノベーションツールを用いて、効果的に地域貢献を実現するアイディアの例示・検証を行う。

 まず、「環境教育」を目的とした拡張現実(以下、AR)を活用が考えられる。「ポケモンGO」で一躍認知度が高まったARだが、その利用端末はスマホであり、アプリケーションのみを自前で整備するハードル決して高くない。既に多くの産廃処理施設では、小中学生の社会化見学の受入れ等を行っている。例えばスマホ持参を前提に、現場でアプリをダウンロードさせれば、キャラクターアイテム捕獲を伴うコース案内や、習熟度チェック後のノベリティ提供等、ゲーム性の高い環境学習機会が提供できる。サイト限定サービスであれば、地域社会の関心度は高まり、より多くの市民参加が見込めることになろう。

 アプリケーションの構築費用も自己調達出来ない場合、「クラウドファンディング」を活用することも可能である。地域活性化に直結する資金集めには「寄付型」の可能性もあるが、目標金額達成の現実性が高いのは、出資者側に御礼の商品やサービス提供を約束する「事前購入型」となる。NPOが太陽光パネル設置費用出資者に、地元野菜等を対価として提供する事例等も普及しつつある。出資者集めのポイントはファンド・コンセプトへの共感を得ることにあり、リサイクラーの場合、廃プラ再生品や堆肥等、自社事業の意義をPR出来る商品提供が順当かもしれない。

更に自社の商品やサービス以外の取引にも利用可能な「ビットコイン」を御礼品に利用するアイディアにも面白みがある。ビットコインは、金融機関向けの手数料や為替リスクを避けつつ、確実な決済を行える点に魅力がある。ただし、現状は制度的に貨幣と認知されておらず、ウォレット保有者数が限定的であり、商品価格変動リスクも高いため、一般ユーザの利用メリットは薄い。一方、その社会的関心は急速に高まっており、リサイクラーがユーザ拡大のきっかけとなる取組を始めれば、社会的な注目度が高まることは確実である。

 本業を通じた雇用拡大や納税は全ての企業の使命であり、その社会的意義は疑う余地もない。ただし、「+α」の努力が必要な業種が一般社会やメディアに訴求するには、「遊び心」を伴う新技術活用によるPR効果も必要なのである。

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