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リサイクルビジネスもイノベーションを語ろう(7)

IoT導入促進と解決すべき課題・・・未来を切り開く差別化ツール

環境新聞 9月28日版

 昨今、「あらゆるモノがインターネットにつながる」というフレーズを新聞で目にしない日はない。少子高齢化に伴う労働人口減少対策や製造・物流等効率化に資する次世代インフラとして、モノのインターネット(以下、「IoT」)が国内外で注目を集めている。これまでも「ユビキタス」等同様のコンセプトは存在したが、今回は社会全体の期待水準が高い。ビックデータを収集する上でも、その解析をAI(人口知能)で行うためにも、端末とデータベースを結ぶIoTが不可欠になるからである。

 情報通信白書によれば、現状158億個の機器がインターネットに接続しているのに対して、2020年までにその数は530億個に達する。また、有望な対象機器は「一般消費者向け製品」「産業分野」「自動車分野」とされる。

 では廃棄物処理・リサイクル業界で今すぐ実践出来ることと解決すべき課題は何か?本稿では、業界内のIoT導入方策等に係る例示・検証を行う。

 まず、最短距離でメリットが見出せるのは、車両・機材管理である。収集運搬車両のみならず、コンテナ等の機材にも無線端末を付けて位置情報や利用情報を管理すれば、輸送ルート最適化、片荷運行の削減、機材管理効率化等が可能になる。ただし、センサー側で常時電源を確保することは非現実的であり、GPS端末等をそのまま利用することは出来ない。いわゆる「エッジコンピューティング」で無線端末からの情報を集約してから、インターネットに接続するシステム構築が当面の課題と言えよう。その実現までは、ドライバーが保持するスマートデバイスを発信機・受信機として利用するか、ICタグと読取装置の組み合わせが現実解となる。

 次にプラント管理である。例えばごみ焼却施設を対象にした遠隔監視・操作サービス等は商用化されており、売電収入拡大のための発電量自動調整や、AIを活用したトラブル検知・抑制等が実現されている。今後の課題はセンサリング対象データの取得範囲拡大とその活用手法の高度化にあり、廃掃法が定める既存管理項目+αのモニタリング機能が求められる。

 最後に家電や通信機器等廃製品の選別・処理である。バーコードの読み取りや画像解析により廃製品毎の機種や型番を事前把握することは今も可能である。今後の課題は、より詳細な組成データや利用データ等を把握することで、その後の処理工程を最適化することにある。その前提として廃製品毎のDBが求められるが、リサイクル高度化のみを目的にメーカがリサイクラーによる閲覧可能なシステムを構築することはあり得ない。したがって製品・部品リユース促進や処分費削減等で動脈側メリットを高めつつ、長期的には素材系メーカを巻き込んだクローズドループ実現に向けた社会的コンセンサス作りが必要となるのである。

 IoT導入には、理想形から逆算するより、実現可能な事例を積み上げつつ、目先の課題を解決するアプローチの方が有効と考えられる。今すぐ何が出来るのか、考え抜いて先に手を付けた者が未来を切り開く差別化ツールを手にする。

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